蔵書管理と向き合う
今月半ばに見舞われたトランクルーム水漏れ被害を機に、仕事の延長線上や一時の好奇心で入手した本などの断捨離を決意。
そもそも手放す決断をできない本やいつでも買い直せる本が、トランクルーム行きになっていた。基本的に、大切な本は手元に置いて管理したい。ということはつまり、トランクルームへ運んだ時点で、私の中の優先順位はそれなりに低かったことを意味する。
そんなこんなで省察するに、どうやら私が丁寧に管理できる蔵書冊数の上限はそう多くなさそう。
快適に管理しようと思えば、どうしたって紙媒体の本を減らす必要が生じる。
自分に合わず面白くもなく役立たない本なら、悩まず速攻で手放せる。でも、そんな三拍子そろった本は少ない。(たまに見極めが足りず買って読んで後悔するが……)
二回以上読む本は、好きな本(気に入った本)であり、迷わず残せる。
問題は、面白い本、役立つ本。私の中でそれらは「良好な本」なので、手放す明確な基準に欠ける。そして一部、問題先送りでトランクルームへ。
しかし、先送りにした問題はそのままでは解決しない。
このまま突き進むと、眺めてニンマリする本棚から遠のき、自室もトランクルームも本の墓場になりかねず、ひじょうにまずい。死蔵は避けたい。そんなわけで、電子書籍&図書館サービスを本格的に活用すべく行動を開始する。
部屋にある本を、①自分に合う本・好きな本と、②対外的に面白い本・役立つ本に選り分け、後者は電子書籍の販売有無と近隣図書館の蔵書状況を確認し、両方「有」ならリサイクル用の段ボールへ放り込む。なるべく無心で。考えると負ける💦
ありがたいことに、神戸市の図書館ネットワークサービスは、Myライブラリで自分の棚が作成できる。断捨離候補に挙がった本を検索して、蔵書があればMyライブラリの棚に登録しておく。これで、すぐ読みたければ電子書籍で再購入し、引用したければ図書館へ赴いて頁情報を確認すれば事足りる。
将来必要になるかもという不安が軽減したので、今までよりも心置きなく手放せそう。
白波というにはちょっと・・・ね(海の主らしき何か、あるいは謎の海洋生物)
~画材~
着色:カラーインク(Kobe INK物語、エルバン他)、アクリルガッシュ/ホワイト
紙:ニューブレダン紙
~感想~
最初は、夕焼け空を背景にした海を描くつもりでいた。
描いているうちに水平線は消失し、夕焼け空というよりは夕焼けに染まった砂浜に。もう砂浜でいいや・・・と、あっさり開き直る。
ところで、私はこのとき、一本のアクリルガッシュ絵の具(ホワイト)を手に入れており、はやく使ってみたくて、青インクの上から波のつもりでペタペタ塗ってみた。
重ね塗りできる白、水分に溶け込んで濁らない白、すばらしい。
アクリルガッシュのおもしろさに抗えず、調子に乗ってはたと気づけば、波はどこかへ消え、代わりに龍のようなものが泳いでいた。多分に錯覚であろうが、思い込むと、もうそのようにしか見えてこないのである。
いろいろ迷走した一品であるが、ただひとつ揺るがない結論として、アクリルガッシュのホワイトはすばらしい。これは間違いない(はず)。
by 枝乃
イチョウ・秋の終わり(と、格好つけつつ真の主役は画材のほう)
~画材~
着色:WINSOR & NEWTON Cotman Water Colours Sketchers' Pocket Box (水彩)
紙:ニューブレダン紙
~感想~
己のサインを見る限り、2018年12月9日に描いたイラスト。
お天気は上々。「今日はイチョウがキレイねぇ・・・」と思うほどに、ご機嫌も上々だったと思しき朝の通勤路。あえて写真には撮らず(美しく撮れないのである)、肉眼というレンズを通して、美しいと感じた記憶だけを頼りに描いた一品。
ゆえに、物理的な陰影などは度外視である。加えて『星の王子さま(サン=テグジュペリ著)』を読み終えたばかりの頃であり、色彩は多分にその影響を受けている。
つまるところ、疲れた日に、ちょっとばかり良いことを思い出すために描いたわけで、それ以上の特筆すべき理由はない。
特筆すべきは着色に使った画材。いつ購入したのかわからないくらい前から、ずっと未使用のまま、部屋の片すみに眠っていた。(買った記憶だけは残っている)
これはスケッチ旅行などに便利な携帯用の固形水彩絵の具であるが、実のところ私はスケッチ旅行などに行く趣味がない。「なぜ買った?」と、本人が一番強くそう思っている。若気の至りである。
全12色。白はあっても黒はなし。赤、青、黄を混ぜて作り出せるからだろう。(ちなみに写真の都合上、黒っぽく見えているのは、藍色だったり焦げ茶色だったり)
秋の終わりのイチョウ並木のおかげで、日の目を見た画材なのである。
by 枝乃
オレンジ(のつもり)改め、柿(のようなもの)
~画材~
主線:PILOT kakuno〈M〉×PLATINUM CLASSIC INK/CITRUS BLACK
着色:Kobe INK物語/垂水アプリコット、離宮ムーンイエロー
紙:ニューブレダン紙
その他:水彩絵の具(白)、色鉛筆
※下絵参考書籍:がなは ようこ『ボールペンでスケッチ』,飛鳥新社,東京,2009.
~感想~
二本の万年筆を洗浄しようと思い立ち、中に残っていたインク(オレンジ系・イエロー系)を有効活用できないものかと考え、落書きした一品。
手持ちの書籍(※)からオレンジとイエローで描けそうなものを探し、p.32(Lesson 8 フルーツを切ってみよう)に、いい感じのオレンジを発見。下絵を落書き。
なんとなくプラチナ古典インクのシトラスブラックで主線を描いたところ、水張りして思った以上に色が滲み、主線がぼやけたので、あれこれ補正を試みた結果、一個だけ「これは……みかん? ――否、柿だな」に仕上がった。よって、左端のひとつはオレンジ(のつもり)改め、柿(のようなもの)である。
完成日:2019.05.25
by 枝乃